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炎の蜃気楼28 怨讐の門(破壌編) 感想

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「俺からあなたを奪うのは、あなた自身なのか!」

なんかこの一冊は、切なくて泣きました…

こういう言葉が正しいのかは分かりませんが、直江がかわいそうで切なくて泣きました。高耶さんの強さが、真摯すぎる生き方が痛くて泣きました。

 

表紙

 

黒陽編・黄壌編と来て、完結編はどーなっちゃうのぉ?って思ってたんですが←

あ、すいませんでした…っていう普通の表紙でした。

それにしてもレビュー書いてて初めて気づいたんですが、直江って見せ場の表紙少ないんですねぇ。一応主人公といえば高耶さんですが、限りなくダブル主人公っていう認識だったので、高耶さん率がこれほど圧倒的とは思いませんでした。

 

あらすじ

総攻撃の時が来た。高耶と赤鯨衆の船団は「国崩し」を擁し宇和島湾の防備の突破を図り、陸上軍も必死に宇和島を目指していた。迎え撃つ宇和島城内には、復讐の鬼と化した伊達政宗と、烈命星の欠片を手にした信長の操り人形・小次郎。村上水軍も伊達の援軍として南下を開始する。高野山が送り込んだ<黒の僧兵>。霊場結界の破壊に動く<山神>たち……。ついに『怨讐の門』完結!  

 

印象に残ったシーン

P88 高耶と兵頭

「わしゃあ飼われ犬なぞ信じん。あなたは早くその事に気づくことだ」

「許されたくて守ったわけじゃない」

高耶は強く言い返す。

「そんなつもりで守ったことは一度もない!」

仰木隊長!と玄関の方から呼ぶ声があがった。直江だった。兵頭を見て息を呑み、

「兵頭!生きて…!」

兵頭は直江を一瞥すると、何を思ったか、いきなり高耶の唇に強く唇を推しつけてきた。

兵頭さんのシーンから一幕選んでみました。

兵頭、どうやって帰還したんでしょうね?この巻の兵頭さんはボロボロになりながら帰還、仰木隊長を押さえつけていきなりキス、直江と対立、高熱を発しながらも雷道阻止、最後は長秀殺害(!)と熱量ある動きでした…

 

P164 高耶⇒直江

「ここでリセットしてしまったら、この先にあるはずの大きなものに対峙していけなくなってしまうような気がする。直江。オレは行かなくては。オレたちを生んだ世界の正体を、この眼で見に行かなくては」

直江は眼を見開いた。腕をつかむ直江の手に、手を重ねて、高耶は行った。

「調伏はしない」

振りほどくでもなく、高圧的に命じるでもなく、手を重ねて言うところになんだかぐっと。ちょっとあとの「頼むから従ってくれ。オレを愛しているんだったら……!」といい、この巻は高耶さん、自分を貫きながらも直江に「一緒にいてくれ」って言っているようで切ないです。

 

P272 

「あなたの男、だからですか」

高耶が凄い勢いで睨み返してきた。兵頭は腕組みしたまま怖い目つきで、

「橘は我々怨霊が存在することを認めていません。あなたさえいなければ、とっくに我々を調伏していたでしょう。私たちには危険極まりない。四国から追放します。さもなくば殺害」

「あの男に手を出したら、オレがその人間に報復する」

高耶は鉄のような無表情で行った。

「むろん私怨だ」

「むろん私怨だ」って言い切るところがかっこいい。

 

P321

「立ち向かわせてくれ……。直江」

直江は苦しそうに瞳をあげる。高耶は噛みしめるように告げた

「おまえとの最上を掴むために」

直江は眼をみはった。

浄土も楽園もいらない。おまえが、いるから……何もいらない……。

おまえとの「最上」。それに勝つ願いは、オレの中には……ない。

それに勝つ願いはないのに、どうしてこの人はこんな選択をしてしまうのだろう。

景虎様の強さは痛い。。。と思いました。

 

感想

宇和島の戦闘から、信長登場、停戦、高耶さん高野山へ拉致られ、取り返し、雷道阻止、そして裏四国への転換、主従の「譲れないもの」をかけた激突…と、盛りだくさんすぎる完結巻。

これ二冊分くらいのボリュームありますよね。。。

 

もうねぇこの一冊、とにかく高耶さんだけのために突き進み、護り、全力を尽くす直江と、譲れない自分の生き方をかけて「裏四国」成就を貫く高耶さんっていう、その愛し合ってる二人の目指すものがぶつかることによって闘い、そして容赦なく勝敗が決するという妥協のない展開から目が離せなかったです。

 

ここでしっかり勝敗を書ききるのがミラージュの凄みだと。。。

第三の選択ではなく、残酷なほどに勝敗は決し、直江が敗北することになります。

そして勝者である高耶さん、涙を流していました。ここは存分に景虎様でしたね…景虎様が限りなく強いっていうこと、その強さを持ったうえであれだけ純粋であること、なにもかも哀しいことだ、って私にも心底わかりましたよ…。

 

かくして裏四国は成就し、直江は高耶さんを救うすべを断たれて、第三部終了です。

一見バッドエンドだけど見方によっては最上でもあった第二部完結と比べると、なんともいえない後味で、ファイナルステージへ。

 

 


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