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炎の蜃気楼30 耀変黙示録Ⅰ(那智の章)感想

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「おまえにくれてやる!直江!」

 

一番の名言を挙げるならこれかなー

それにしても、景虎さま「くれてやる」表現たまに使いますよね。肉体をくれてやったとか。

「おまえにあげる」って言われてもなんか(似合わなくて)嫌ですけども。

 

さてさて、ファイナルステージ序章の無間浄土を挟んで、耀変黙示録がスタートしました。まずはあらすじから貼り付けときましょう。

 

表紙 

 

 表紙はコレ。黒タートルに白コート、無間浄土コーデですね。

 

あらすじ 

自分は四国のカルト宗教団体に拉致監禁されていた。その団体の教祖の名はーー。人気ロックアーティストに換生している信長に名指しされた高耶と赤鯨衆は、まだその波紋の深刻さに気づいていなかった。一方、富士山麓で復活を遂げた成田譲、那智・勝浦からの謎の漂着者。各地に蔓延する奇病、怪しい黄金の雨。それらすべてが「真の闇戦国」の開始を告げていた……。

 

印象に残ったシーン

P56 嶺次郎→高耶

人と人、全てを重ね合わせることは難しい。そのズレが、いずれ大きな亀裂となって決別を招くこともあるだろうが――草間との時のように。

「だが、わしは、おんしの”人間”を、信じちゅう」

揺るぎない声に高耶は目を見開いた。

「たとえ敵になっても、それだけはどんなことが起きても変わらんき、覚えておせ」

 

嶺次郎ったらなんていい奴・・・!

根本のところで異なる考えを持つ人を受け入れ、信じるのは難しいこと。それが、ある意味で「自分を否定する価値観」であればなおさら。

それを信じると正面きって言えるのが嶺次郎の強さだなぁと思います。ただ信じるのではなく、 いつも何周も何周も考えて自分の卑屈にも猜疑心にも向き合った上で出す答えだからなおのこと大切。嶺次郎の結論っていうのはいつも高耶さんを救ってるね。

Sっ気とかどこかいびつな執着ではなく、ほんとの信頼と友情を高耶さんに向ける人って貴重だw

 

P74

”今空海”となって、誰もが「仰木高耶」を得ることができるようになっても。

この魂はたったひとつ。

たったひとつ。

そのたったひとつを――

「おまえにくれてやる!直江!」

直江が高耶の手をとって、思い切り引き寄せた。倒れ込むように直江の胸に崩れる高耶を、力一杯掻き抱いた。

 

おまえにくれてやるって、ただただ殺し文句だ…。 

 

P166 綾子

綾子には不思議だった。「死者の集まる国」というから、もっと陰気で冷たく、気持ちが塞ぐようなところだと思っていたのだが――。たしかに明るいとは言えないが。

例えるなら、古寺のお堂の中だ。ああ、そうだ。それに似てる。古い杉に囲まれた山中の密教寺院。暗いが、深い。

(何かに包まれてるみたいな、あの感じだ)

目を閉じると、煤で黒くなった柱や、暗闇の堂内に並ぶ灯明までも見えてくるようだ。いまにも線香の匂いが漂ってくるような。

何かの胎内にいるような。

(なんだろう。これは)

じわり、涙までにじんできたので、綾子は自分に驚いてしまった。

 

ねーさん四国上陸のシーン。

これ、弘法大師の結界を裏返しにしたからとかじゃなく、裏四国は高耶さんの思念が満ちる場所だから、「景虎様そのもの」の世界に触れて、彼を大切に思ってる綾子ねーさんは知らずに涙が出たって感じかなぁと読みました。

景虎様の中身っていうのは静かな寺院みたいな感じなのかな。

 

感想

 物語は、トオルさんが流れ着いたあと、高耶&直江と潮くんが熊野に行くっていうお話。ヒルコ流し、創作っていうことですが、ほんとにあったら怖すぎる。で、信長は暗躍し、高耶さんと赤鯨衆を陥れるべく、新興宗教というデタラメで世論誘導。追いつめられる高耶さんたち。

 

直江は無間浄土の虚無から一歩進み、「ミゼラブルだとは思いません」という謎語名言を残しています。  

何度敗北しても踏みつぶされても、さいごは景虎様の望むとおりに傍らに立つ直江は本当に凄い。