第一部、衝撃の完結編。というわけで読み返し感想レビュー、わだつみの楊貴妃(後編)です。ようやくここまで来たー
感想かくのも一大事だわミラージュ。
◆表紙
◆あらすじ
輝元が放った銃弾は、直江の心臓を撃ち抜いていた。駆け寄った高耶とたった一瞬、視線が結ばれ、それが直江の最期だった。「直江、早くオレを助けてくれ。早く、おまえがいる世界に帰りたい…。」その瞬間、毛利の本拠・萩城一帯を激しい地震が襲い、巨大な火炎の渦が夜空に燃え昇った。高耶の魂の絶叫が、地上に大崩壊を招こうとしていたのだ。衝撃の第一部完結編。
◆印象に残ったシーン
・P82 高耶
「―――死なせて・・・・ください」
「もう・・・・死なせてください」
氏康との会話。ぼろぼろの高耶さんが痛々しいです。
・P178 高耶と千秋
「大丈夫なんだな、景虎」
「・・・・・・・・・・」
「おまえは、大丈夫なんだな?」
高耶は答えない。面をかぶったような表情は動くことがない。そんな高耶をしばし眺めて、千秋はおもむろに歩み寄った。
「・・・・っ」
千秋が不意に手を伸ばし、高耶の頭を抱えこんで自分の方に押しつけたので高耶は驚いて目を見開いた。千秋は耳元に唇を寄せると、
「おまえまで死ぬんじゃねぇぞ、景虎」
千秋って、やっぱりかっこいいですよねー・・・
「短い言葉でぐっとさせる」というと私の中では千秋が一番で、このおまえまで死ぬんじゃねぇぞと同列に、「俺がいんだろうが」や、「ばか、ついてくよ」があります…
要所要所で救ってくれる。
三部、四部も好きですが、「千秋」が一部二部にしか出てこないっていうのは返す返すも悲しい・・。
・P264 高耶の独白
さざ波が優しい。
おまえの声が、聞こえる・・・・・。
――――怖い夢でも・・・・・見たんですか。
もうここでは、涙しかなかったです。
◆感想
景虎様がどれくらい直江を必要としていたのか。
それが語られる巻です。
失って発狂するほど大切にしていたなら、どうしてもうちょっと結び目をほどこうとしないんだー、と、どうしても思ってしまいます。それが景虎様なんだけども。
バトルシーンの激しさ、景虎の存在の切なさ、怒涛のような物語でした。
斃れた直江、そして鉄の意志で戦う高耶に、支える千秋の存在がとてつもなくかっこよかったです。
氏康&謙信のパパズもそろいぶみ。
それにしても、景虎の業は、直江と同じくらい深いですね。
いや、直江より深いのか。
これで続くの?!という感じで、第一部終了でした。
それにしても読み返してると、けっこー序盤で死んだのね、直江。
リアタイ火輪の王国からだったので、もうハッキリ甦ってたんですよねー・・・
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